犬の寄生虫対策や狂犬病など犬から人への感染症について紹介します
犬を飼われている方で一番気を付けている事は、愛犬の健康管理だと思います。犬の長寿化が進み、様々な病気のリスクがございます。その中でも特に気を付けたいのは、【寄生虫対策】かなと思います。
そこで本日は、ノミやマダニ、フィラリア症についてそれぞれ引き起こされる健康被害とその予防方法について紹介します。また併せて、犬から人へ感染する恐れのある感染症についても紹介します。
本日の内容はこちらです。
【目次】
最初は、ノミ・マダニ対策です。
犬のノミ・マダニ対策
まず覚えていただきたいことは、ノミ・マダニ対策は春先からスタートしてくださいということです。理由は簡単で、暖かい時期になるとノミやマダニが現れるからです。そして基本的には、ノミ・マダニには春先から秋を中心に薬で対処します。いくつかの種類がありますので、かかりつけの病院で処方してもらいましょう。
薬の種類は、以下の通りとなっています。
ノミ・マダニの寄生の予防薬
【スポット】
1〜2ヶ月に1回、
首の後ろに薬剤を滴下する。
※詳しい商品説明は、
クリックしてご確認お願い致します。
【スプレー】
全身にスプレーをする。
成虫に対して効果あり。
【経口剤・注射薬】
成虫だけではなく、
体内に入った瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)を
駆除できる。
※瓜実条虫とは、ノミによって媒介される犬や猫でよくみられる消化管内寄生虫の1種。瓜実条虫症になると以下の症状が現れます。
【瓜実条虫症】
・下痢になる
・毛ヅヤが悪くなる
・肛門を舐めたり、おしりを擦り付けて歩く
では、ここからノミとマダニの特徴や引き起こす病気について紹介します。
【ノミ】
【特徴】
短期間で増え、メスの成虫をつぶすと卵が飛び散り、感染が広がってしまう。
【引き起こす病気】
・アレルギー性皮膚炎
・内部寄生虫の感染 など
【マダニ】
【特徴】
血を吸うとあずきぐらいの大きさに膨らむ。
無理に引き抜くと頭部がちぎれて残る。
【引き起こす病気】
・アレルギー性皮膚炎
・バベシア症(貧血を招く)
※人へ感染すると、
日本紅斑熱、ライム病など引き起こすことも。
ノミ・マダニ対策については以上です。人へ感染の恐れもあるため、愛犬にはしっかりと予防薬で対策しましょう。
続いては、フィラリア症についてです。
犬のフィラリア症対策
フィラリア症は、犬糸状虫(いぬしじょうちゅう ※別名フィラリア)という寄生虫の感染によって起こる病気です。フィラリアに感染していないか、血液検査を受けて感染していないことを確認してから予防します。予防薬は月1回服用するのが主流で、蚊が頻発する頃から使い始めて、蚊がいなくなってから1.5ヶ月後まで続けます。
最近だと、予防効果が1年間続く注射薬もあります。薬の定期的な服用で防ぐことができますのでかかりつけの病院と相談しましょう。
では、フィラリアの特徴や引き起こす病気について簡単に紹介します。
【フィラリア】
【特徴】
・蚊によって犬の体内に入り成長する。
・右心室や肺動脈に寄生することが多く、
寄生すると血流が悪くなる。
【引き起こす病気】
・心不全
犬の寄生虫対策は、以上です。ここからは、犬から人へ感染する恐れのある病気について紹介します。
人と動物の共通感染症について
犬と動物の間で感染する病気を『人と動物の共通感染症』といい、その代表的な病気が【狂犬病】です。狂犬病は、犬に限らず人を含む哺乳類の全てに感染する病気で、狂犬病ウイルスを保有している動物に噛まれることで感染します。
潜伏期間は1〜3ヶ月で、発症後は、けいれんや麻痺などの神経症状が起こり、発症してしまうと死亡します。
感染源の動物に噛まれた直後にワクチン接種を受ければ発症を防ぐことができますが、発症後の治療法が確立されていないため、発症後の死亡率は100%という恐ろしい病気です。そのため日本では、「狂犬病予防法」により、年に1回愛犬への予防接種が義務付けられています。
日本では、1957年以降の国内感染例はありませんが、韓国や中国などの近隣諸国では発症しています。日本人旅行者が海外で犬に噛まれて帰国後に発症して死亡した例もあります。現在でも海外では毎年5万人以上が死亡していますので、渡航先で野良犬や野生動物にはむやみに触らないようにしましょう。
また、狂犬病以外にも「人と動物の共通感染症」に気を付けたい病気は、いくつかあります。その中でも特に気を付けたい病気をまとめましたので知識として覚えておくといいかもです。
【主な人と動物の共通感染症】
【パスツレラ症】
犬、猫の口腔内の常在菌で主に噛まれることで感染。痛みや腫れ、呼吸器症状などが起きる。高齢者、糖尿病患者さんは特に注意。
犬、猫の口腔内の常在菌。パスツレラ症同様、免疫が低い人は注意。重症化すると排血症や髄膜炎を起こす。
【犬ブルセラ症】
犬では死産・流産を起こす。人は重症化しないが風邪に似た症状が出る。
【皮膚糸状菌症】
犬、猫との接触により、腫れ、かゆみ、脱毛が生じる。子供や女性に発症することが多い。
【エキノコックス症】
キタキツネが感染源。エキノコックス(多包条虫)の卵が口から入り感染。犬では無症状のことが多いが、人は肝機能障害を起こし、死に至ることもある。
では、最後に「人と動物の共通感染症」の予防策についてまとめましたのでご参考にしてください。
人と動物の共通感染症対策
【人と動物の共通感染症の予防】
・愛犬の居場所や所有物を清潔にする。
・ウンチやオシッコの始末したら手洗いする。
・キスなどの濃密な接触を避ける。
・草むらや川などにむやみに立ち入らない。
とくかく、清潔に保つことが大事です。飼い主さん自身、愛犬の健康のためにも是非、日頃から気を付けてください。
最後に本日のまとめです。
まとめ
・ノミ・マダニ対策は、春先から秋にかけて薬で対処する。
・ノミに感染するとアレルギー性皮膚炎と瓜実条虫症が生じる。
・マダニは、アレルギー性皮膚炎以外にも貧血を招くバベシア症を生じる。
・フィラリアは、蚊が発生する頃から蚊がいなくなってから1.5ヶ月後まで月1回薬で予防する。
・人と動物の共通感染症を防ぐためには、清潔に保つことが大事。
本日の内容は以上です。
何かご参考になる点があれば幸いです。
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